現場で会わないからこそ大切になる情報共有

訪問看護の仕事は、病院や施設勤務とは大きく違います。
その中でも特に大きな違いは、他のスタッフと現場で会うことがほとんどないという点です。

朝のミーティングや、訪問後に事業所へ戻ったときに少し話す機会はあります。
しかし、直行直帰が可能な事業所では、一日を通して誰とも顔を合わせない日も珍しくありません。

そんな環境だからこそ、「情報共有」の質がチーム全体の力を左右します。
小さな伝え忘れや思い込みが、利用者さんへの対応に影響を及ぼすこともあるためです。

「訪問看護ステーションまるっとけあ」でも、日々の業務の中でこの課題に向き合っています。
今回は、現場での経験をもとに、訪問看護で大切な情報共有のコツをお伝えします。

情報は「口頭」より「記録」に残す

訪問看護の現場では、口頭でのやり取りに頼りすぎるとトラブルのもとになります。
会ったときに伝えた内容を相手が忘れてしまったり、言葉の解釈が違ってしまうこともあるからです。

そのため、「言った」「言わない」という問題を防ぐには、必ず書き残すことが基本になります。
重要な内容はメモに残し、なくならないようにパソコンの横やデスクに貼っておくなど、目に入りやすい工夫をしましょう。

ただし、書き残したメモが分かりづらければ意味がありませんよね。
「誰に向けて」「どんな内容を」「どんな目的で」伝えるのかを明確にすることが大切です。
例えば、「依頼」「報告」「確認」などの区別をつけておくと、受け取る側もスムーズに理解できると思います。

短くても「目的」が伝わる文章を心がける

訪問看護では、一人ひとりが限られた時間の中で動いています。
そのため、情報共有の文章は「短く・分かりやすく・目的が伝わる」ことを意識しましょう。

長すぎる文章は、読む側にとって負担になりやすく、重要な部分が埋もれてしまうことがあります。
要点をまとめ、必要な情報を的確に伝えることで、相手がすぐに行動に移せる共有ができます。

「何を」「なぜ」伝えるのかを整理して書くだけで、伝わり方が大きく変わります。
これはカルテへの記録や日報の入力にも共通する大切なポイントです。

情報共有の目的をチームで統一する

情報共有の仕方よりも大切なのが、「なぜ情報共有が必要なのか」という目的をスタッフ全員で理解しておくことです。

訪問看護の現場では、「これは伝えなくてもわかるだろう」「いつものことだから言わなくてもいい」といった判断がトラブルにつながることがあります。
たとえ小さな変化でも、共有することが大切です。
なぜなら、次に訪問するスタッフがその情報をもとに判断を行うからです。

「情報共有はチームで利用者さんを支えるためのもの」という共通認識を持つことで、連携の精度が高まります。
その意識が定着すれば、「伝え忘れ」や「思い込み」によるミスは確実に減っていきます。

情報共有を習慣化するための工夫

情報共有を一度きりの行動ではなく、日常の一部にすることが理想です。
習慣化のためには、個人の努力だけでなく、組織としての工夫も欠かせません。

たとえば、記録のフォーマットを統一することで、誰が書いても見やすく、確認しやすくなります。
また、報告や連絡のタイミングを決めておくことで、「いつ・何を伝えればいいか」が明確になります。

「訪問看護ステーションまるっとけあ」では、スタッフ全員が同じ目的意識を持ち、日々の情報共有の質を上げるための仕組みづくりを進めています。
それは、スタッフ同士の信頼関係を強くし、利用者さんへのケアの質を守ることにもつながるのです。

情報共有のコツがもたらす安心と信頼

訪問看護の現場で情報共有を丁寧に行うことは、単なる業務効率化ではありません。
それは、チーム全体の信頼を築き、利用者さんやご家族に安心を届ける大切な行為です。

一つひとつの記録、一つのメモ、一つの言葉が、確かな連携を生み出します。
そして、その積み重ねが、利用者さんの安全で安定した生活を支える力になっています。

「伝えたつもり」ではなく、「伝わった」情報共有を。
その意識をチーム全員で持つことが、訪問看護の質を大きく高める第一歩だと思います。

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