私たちが日々関わっているリハビリには、いくつかの種類があります。
その中でも特に比較されることが多いのが、「外来リハビリ」と「訪問看護で行うリハビリ」です。
名前は似ていても、提供される環境や方法、目的などには大きなちがいがあります。
今回は、訪問看護師としての実体験も交えながら、両者の特徴やちがい、そして訪問リハビリならではの魅力について詳しくお話しします。
外来リハビリとは?医療機関で受けるリハビリ
外来リハビリとは、病院やクリニックなどの医療機関に通って受けるリハビリのことです。
患者さんは決まった時間に施設へ行き、理学療法士や作業療法士の指導のもと、身体機能の回復や維持を目的としたリハビリを行います。
医療機器や専門的な設備が充実しているため、筋力トレーニングや電気刺激、温熱療法など、幅広いアプローチが可能です。
回復期や発症直後など、集中して身体機能を取り戻したい場面では特に効果的です。
訪問看護で行うリハビリとは?自宅で受ける個別支援
訪問リハビリは、理学療法士や作業療法士が利用者さんのご自宅へ訪問し、実際の生活の場を活用して行うリハビリです。
「訪問看護ステーションまるっとけあ」では、毎日多くのスタッフが地域を訪れ、利用者さん一人ひとりに寄り添った支援をしています。
このリハビリの最大の特徴は、「日常生活そのものをリハビリの場にできる」ことです。
段差のある玄関、滑りやすい浴室、狭い廊下など、家の中の“実際の環境”で練習できるため、より実践的な動作が身につきやすくなります。
また、目標もとても具体的です。

「トイレまでひとりで行けるようになりたい」
「ベッドから安全に起き上がれるようになりたい」
「またスーパーに行って好きな食材を自分で選びたい」
そんな“暮らしの中の願い”に応えるのが、訪問リハビリの大きな魅力です。
提供できる内容と設備のちがい
外来リハビリは医療施設内で行うため、設備や器具が整っており、以下のようなリハビリが可能です。
- トレーニングマシンを使った筋力強化
- 電気や温熱を使った物理療法
- 専門的な評価機器を用いた身体機能の測定
一方、訪問リハビリでは特別な機器は使用しません。
その代わりに、生活の中にあるもの――たとえば手すり、イス、ベッド、キッチンの台などを使って、安全で無理のない範囲で動作を再学習していきます。
これは「実際の生活に即した練習」であり、外来ではなかなか得られない価値です。
利用できる疾患と制度上のちがい
外来リハビリは、厚生労働省が定めた一部の疾患に限定されており、たとえば以下のようなものが対象です。
- 脳血管疾患(脳梗塞・脳出血など)
- 運動器疾患(骨折・変形性関節症など)
- 呼吸器・心疾患など
しかも、これらには「利用期限」があり、基本的には最大で180日程度が限度とされています。
一方、訪問リハビリは、医師の訪問看護指示書があれば、病名や疾患を問わず利用可能です。
さらに、期限も原則としてありません。
状態に応じて計画を見直しながら、長期的にリハビリを続けることができます。
神経難病やがん、慢性疾患など、長くつきあう必要のある症状にも対応できるのも患者さんにとっては大きな利点でしょう。
訪問リハビリが支える「その人らしい暮らし」
訪問リハビリの本質は、「その人が自分らしく生活できること」を支えることです。
たとえば、こんな支援が実際に行われています。
外出時の付き添いと歩行訓練(スーパー、病院など)
- 段差の多い家の中での安全な移動練習
- ご家族への介助方法の指導
- 排泄や入浴など日常生活動作(ADL)の再獲得支援
リハビリとは、単に筋肉を鍛えることだけではありません。

「また歩きたい」
「ひとりでごはんを作って食べたい」
「趣味の園芸を続けたい」
こうした“やりたいこと”を実現するためのプロセスが、訪問リハビリには詰まっています。
ケアマネジャーや他職種との連携もスムーズに
訪問看護でのリハビリは、看護師やケアマネジャー、ヘルパー、デイサービス職員など、他職種と連携しやすいのも特徴です。
例えば、訪問リハビリで気づいた生活上の困りごとをケアマネジャーに報告し、介護サービスの変更や追加につなげることもできます。
また、定期的なサービス担当者会議などにも参加して、リハビリの進行状況を共有することで、より一体感のある支援が可能になります。
生活の質を上げるためのパートナーとして
病気や障がいによって、今まで当たり前にできていたことが難しくなるのはとても不安なことです。
でも、リハビリは「できるようになる力」を引き出すもの。
そして訪問リハビリは、利用者さんの気持ちに寄り添いながら、毎日の生活そのものを支える力になります。
「訪問看護ステーションまるっとけあ」では、その人の生活目標や価値観を大切にしながら、一歩ずつ前に進むお手伝いをしています。
ご自身やご家族の生活に合ったリハビリ方法を、ぜひ一緒に探していきましょう。
「事前説明会」も随時開催しております

訪問看護に興味がある方、入社を悩んでいる方、今すぐではないけど入社を検討されている方等、訪問看護に関する不安を取り除いていただくために事前説明会を随時開催しております。
お申込みの際は、「ご希望日時」を必ず入力ください。(日程調整の上、ご返信させていただきます。)
また、事前に質問内容や確認事項などをご入力いただけますと、資料などをご用意いたします。
事業所へお越し頂いた場合は当日の面接(履歴書、職務経歴書、免許証(資格証明)、筆記用具持参)も可能です。
勤務日、勤務時間等のご希望を考慮致します。まずはお気軽にご相談ください。