多職種連携のなかで必要とされる看護師の役割

訪問看護の現場には、たくさんの人が関わっています。
看護師はもちろん、利用者さんとご家族、主治医、ケアマネジャー、ヘルパーなど、多職種が連携して一人の利用者さんを支えています。
「利用者さんのために」という思いは皆同じでも、立場や役割、考え方はそれぞれ違います。
そのため、意見が食いちがったり、すれちがうこともあります。
そんなとき、中心的な調整役になるのが訪問看護師です。
ただ医療を提供するだけではなく、関係者の意見や状況を把握し、うまくまとめる力が求められます。
俯瞰力とは何か
「俯瞰力」とは、物事を高い位置から広く見渡す力のことです。
自分の立場にとらわれず、関わるすべての人の思いや背景を理解し、全体像をつかむ力でもあります。
訪問看護の現場では、常に変化する状況の中で公平な判断を下す必要があります。
そのためには、狭い視点ではなく、広く冷静な視点を持つことがとても大切です。
利用者さん、ご家族、関係者それぞれの気持ちを受けとめながら、最善の選択をしていくには、俯瞰力が欠かせません。
俯瞰力を身につけるためにできること
では、どうすれば俯瞰力を身につけられるのでしょうか。
実は、訪問看護師が日々の仕事で自然と行っている行動に、そのヒントがあります。
たとえば、
- 目の前の状況だけでなく、周囲にも意識を向ける
- 利用者さんや家族の立場に立って物事を考える
- 意味がわからないことにも一度立ち止まって考えてみる
こうした日々の小さな積み重ねが、俯瞰力を育てていきます。
最初は自分の視点からでも構いません。
少しずつ周囲を意識し、視野を広げていく意識が大切です。
また、訪問看護では1人で判断する場面も多くあります。
だからこそ、あえて違う角度から物事を見直す習慣を持つことで、俯瞰力がより深まります。
実際の現場で活かされる俯瞰力
ある日の訪問で、利用者さんは「入院はしたくない」と言っていました。
一方でご家族は「本人の命のために入院してほしい」と強く希望されていました。
このような場面では、感情がぶつかりやすくなります。
看護師がどちらか一方に肩入れしてしまうと、関係性が壊れてしまうこともあります。
ここで大切なのが、俯瞰力です。
利用者さんの意思、ご家族の不安、病状の変化、今後の予測。
すべてを一歩引いた視点で見渡し、「今、必要な選択は何か」を見極めること。
こうした対応ができれば、双方にとって納得のいく判断ができるようになります。
そして、看護師としての信頼も高まります。
信頼される訪問看護師になるために
訪問看護の仕事は、医療知識だけでなく、人とのつながりや対応力も問われます。
その中でも俯瞰力は、多職種との信頼関係を築き、チームケアを成功させるための大切な力です。
私たち訪問看護ステーションまるっとけあでは、俯瞰力を備えた看護師がチームのメインとなり、利用者さまにとってより安心できる支援体制を提供しています。
俯瞰力は特別なスキルではありません。
日々の仕事の中で磨かれていく力です。
利用者さんやご家族から「あなたが来てくれてよかった」と思っていただけるような存在になるために、今日から少しずつ視野を広げる練習をしてみませんか?
その積み重ねが、確かな信頼へとつながっていきます。
気になることがありましたら、どうぞお気軽にご連絡ください。
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